サンプリングとは何か
ヒップホップを聴いていると
「この曲は○○のサンプリングだね」
「○○のサンプリングするとか神だわ」
みたいな会話があるかと思います。
サンプリングという言葉に聴き馴染みの無い方もいるかと思いますので
今回はサンプリングとは何なのかというのを解説する講義になります。
ちなみに「サンプリング」という言葉を辞書で調べると
”音楽におけるサンプリングとは既存の音楽や音源から一部を抽出し、新たな音楽作品に組み込むことである。”
_Weblio.jpから引用。
まさに「温故知新」ですね。
サンプリングの世界は奥が深く、無限の可能性を秘めた作曲方法です。
今回の講義で得られる知識
- サンプリングとは
- サンプリング技法の種類
- 問題と課題
サンプリングの歴史
他のジャンルでのサンプリングは正直、超昔の機材の話やテクノロジーの話になってしまうので今回は割愛させてもらいます。
今回は最低限の機材の話にとどめます。
ヒップホップのサンプリングというものの始まりは1973年です。
ブレイクビーツ
1973年にDJクール・ハークがブレイクビーツという新しい技術を初めて披露した所からサンプリングの文化がスタートしたと言っても差支えないと思います。
ヒップホップが誕生したのも1973年だよね。
つまり本当の意味でクール・ハークは「ブレイクビーツとヒップホップの父」なんだね!
実際はクール・ハーク以前にブレイクビーツの原型を展開していたDJもいるみたいだけど、一般的にはクール・ハークが第一人者だと言われているみたいなのだ。
このブレイクビーツという技術は
2台のターンテーブル
同じ曲の2枚のレコード
ミキサーという機材が必要になります。
通常はほんの数秒の曲の一部を抜き出して2台のターンテーブルを行き来してレコードを巻き戻してループし続けるというものです。
「それのドコがすごいの?」という意見はごもっともですが、
リアルタイムにごくアナログな手法で曲の一部を繰り返すというのは当時としては画期的でした。
そしてそのループを聴いた時に気分を高揚させる(オーディエンスをノせる)というのはヒップホップの醍醐味だったりします。
DJの2枚使い=ジャグリングというテクニックも同じことなのだよ。
最新のDJ機器であればほぼ1タッチでこのブレイクビーツ(ループ)を行うことができますが、ヒップホップでいうサンプリングの最も初歩はこの技術からスタートしました。
スクラッチサウンド
1977年頃にはスクラッチサウンドもグランドウィザード・セオドアという人物により発明されました。
このスクラッチサウンドはセオドアの師匠であるグランドマスター・フラッシュによって80年代初頭に完成しました。
フラッシュはDJミックスの技術もこの時に完成させたのだ。
じゃあフラッシュは「全てのDJの父」とも言える存在なんだね!
レコードを前後させて出すひっかき音(スクラッチ)もれっきとしたサンプリングです。
楽曲のサンプリング
1979年にはヒップホップの初のヒットレコードである「Sugerhill Gang/Rappers Delight」が発売されます。
この曲でサンプリングされた曲は「Chic/Good Times」でした。
(ちなみに「Fatback Band/King TimⅢ(Personality Jock)」がラップを記録した初のレコード。)
当時はInstrumental:インストバージョン(カラオケバージョン)はなかったのでSugerhill Recordsのハウスバンドが「Chic/Good Times」を弾き直しました。
弾き直しも引用=サンプリングという形になっています。
サンプリングと似た表現であるカバーという概念は基本的にヒップホップにはありません。
のちに出てくる曲たちもドラムブレイクをサンプリング音源から抜き出して下敷きにして別の音を乗せて楽曲制作していました。
当時クール・ハークや彼にに追随するDJ達の間で流行っていたブレイクは
インクレディブル・ボンゴ・バンドのアパッチ
モホークスのザ・チャンプ
クイーンのアナザー・ワン・バイツ・ザ・ダスト
などでした。
このようにオールドスクール時代に基礎となるサンプリング技法が確立されていきます。
機材を用いたサンプリング
ミドルスクール(1980年代中期頃)になるとJuice Crewのマーリー・マールが機材(SP-1200)を用いてレコードをサンプリングするようになりました。
この機材でのサンプリングによってより複雑なループを作ることに成功しました。
プロデューサーでエンジニアのPaul CとUltramagnetic MC’sのセッド・ジーはボイスサンプリングやチョップ(曲を切り刻む)を編み出します。
また、Flavor UnitのDJ 45kingやその弟子であるDJ Premier(プレミア)はチョップの技術に磨きをかけていきました。
弾き直しサンプリング
先ほどの「Sugerhill Gang/Rappers Delight」と同様で1992年「Dr.Dre/The Chronic」ではよりファンクに近い風合いを楽曲に持たせるために各楽器の奏者を集め、既存の楽曲(サンプリング元)を再現しました。
西海岸では「The Chronic」以降のG-Funkブームで弾き直しサンプリングが大いに流行します。
この頃のNYの主流のサンプリング方法はレコードからのサンプリングでした。
機械的で冷たいNYのサンプリングに対してLAは有機的で暖かみのある生音サンプリングで対抗していた時代でした。
早回しサンプリング
2004年のKayne Westのアルバム「The College Dropout」ではソウルネタを早くしてサンプリングした早回しサンプリングも一世を風靡しました。
実際には早回し自体は昔からあったテクニックなのだ。
「Kayne West/Through The Wire」は「Chaka Khan/Through The Fire」をサンプリングしています。
Chaka Khan(チャカ・カーン)はカニエに「Through The Fire」をサンプリングしたいと言われた際に楽曲を使用することを承諾しました。
しかし、いざ出来上がった「Through The Wire」を聴いた時に「なんじゃこりゃ⁈」と思ったらしいのですが、結果サンプリングされたことでチャカ・カーン自身の曲も売れたので良しとしたそうです。
4大サンプリングテクニック
サンプリングにはテクニックにはおおまかに4つ存在しています。
- チョップ
- ビートジャック
- ピッチシフト
- リバース
同じネタを使ってもこれらのテクニック次第で全く違うものを作り出すことが可能になります。
チョップ
中でも先述にもある通り、チョップは音を切り刻んで別々のタイミングで音を鳴らすことによって元ネタには無いグルーヴを作り出すことができます。
文字で伝えるのは難しいですが、
「あいうえお」という音のかたまりを
「あ」「い」「う」「え」「お」のように切り刻んで
「う」「い」「お」「あ」「え」や
「あ」「あ」「あ」「え」「い」の様に別のパターンに変換させるというものです。
これでフレーズの可能性は何万通りにもなるという訳です。
「それだと音楽的に破綻しないの?」と思われるかも知れませんが、同じサンプリングソースであれば意外に問題なかったりします。
そもそもイイ意味で音楽理論に精通していない当時のビートメイカー達が作り出した文化なので聴感上問題が無ければ「カッコイイからOK」になったと思います。
厳密には「長調」=「スケール」や「コード進行」が同じであれば余程のことが無い限り、破綻しないと思います。
筆者自身もサンプリングでビートメイクしていますが、理論というよりは感覚でチョップしています。
ビートジャック
最近ではあまり聞かなくなりましたが「ビートジャック」という言葉があります。
ビートジャックとはインスト(カラオケ)にそのままラップを乗せるヒップホップの伝統的な手法です。
レゲエではリディムと言います。
日本では「まんま使い」って言われてるよね。
ビートジャックはミックステープでよく使われるイメージが強く、有名、無名関係なく色々なアーティストが色々なビートで自身のラップを乗せています。
勿論、そのまんま使うので著作権的に完全にアウトです。
「売れている曲」や「売れた曲」の上でラップするという行為は
「自分の存在を世にアピールするため」
であったり
「制作費用を抑えるため」です。
売名かつ安価というと語弊がありますが
ラッパーやプロデューサーたちは戦略としてビートジャックをしています。
もちろん「その曲が好きだから」が前提にあってリスペクトがあるからですが。
逆にビーフ(ケンカ中)の際に意図的に相手のビートの上に自分のラップを乗せたり、アンサーとして同じビートでラップしたりという使い方もされてきました。
まぁ、その方がダメージがデカそうだもんね。
フリースタイルバトルのバトルビートもこのビートジャックしたビートの上でバトルしているのだ。
ピッチシフト
ピッチシフトという技術も非常に広く使われています。基本中の基本。
先述のKayne Westが使ってブームになった早回し。
逆にテキサス州ヒューストンのDJ Screwの「スクリュー&チョップド」は原曲のBPM(曲のテンポ、スピード)を極端に遅くしたりする技術です。
「スクリュー&チョップド」ではレコードの再生する際の回転数を変えてサンプリングする手法です。
本来45回転で再生すべき曲を33回転で再生するとめちゃくちゃ遅くなります。(約30%ほどスピードが落ちます
)このめちゃ遅なビートの上でラップしたりDJミックスをするというスタイルが「スクリュー&チョップド」です。
通常12インチのレコードは33回転で再生するけど7インチのレコードは45回転で再生されるのだ。
ちなみに33回転のレコードよりも45回転のレコードの方が音質が担保されているのだ。
「スクリュー&チョップド」は現在も南海岸のアーティストやプロデューサーによって使われる技法です。
トラップやドリルといったヒップホップのサブジャンルでも頻繁に使われ、ハウスやテクノのようなジャンルやその派生ジャンルでも使われています。
最近のデジタル環境ではマスターテンポという曲の速さを変えても音の高さがほぼ変わらず、音質の劣化が軽減される技術が導入されています。
よほど大幅なピッチシフトでもしない限り音が悪くなることはありません。
リバース
リバースという技術も昔から使われてきた技術です。
そのまま「逆回転」という意味ですが、この技術も音楽理論を無視した技術だったりします。
リバースは元ネタ部分がわかりづらくなる一方で独特で印象的なビートになります。
音は通常は徐々に減衰していくものですが、リバースを使うと増幅していきます。
減衰は最初は音が大きく徐々に音が小さくなり、対義語である増幅は徐々に音が大きくなります。
◣←減衰はこういうイメージ。
◢←増幅はこういうイメージ。
なので普通に音をリバースしただけだと「ふにゃふにゃした音」になってしまいますが、やはりここでもチョップを使うことで歯切れのイイ独特な音を出すことができます。
リバースした音というのは通常の時間軸では絶対にありえない音を再現できます。
例えばシンバルの音は文字で表すと「ジャーン」という音ですが、
リバースすると「スージャッ」になります。
いやいや、スから始まるのおかしくない?
と思われるかも知れませんが、
これがいわゆる音の世界の物理法則を無視した音であり、リバースの醍醐味だったりします。
リバースを使用した代表的な例として「Kendrick Lamar/Loyalty feat.Rihanna」は「Bruno Mars/24K Magic」のイントロ部分をサンプリングし、逆回転して作られています。
大まかな技法は上記のものになりますが、既存のサンプリングされた楽曲はこれらの技法を使い分け、よくコンボで使われています。
サンプラーとは
サンプリングするためにはサンプラーという機材を必要とする場合があります。
DAWというソフトを使いPC上でサンプリングするという方法もあります。
MPC
MPCはAKAI Professionalが開発、販売するサンプラーまたはリズムシーケンサーというもので1988年以降ビートメイカーに愛される機材の1つです。
開発にはロジャー・リンという人物が参加しています。
リンはLM-1やLinn Drumを世に送り出したドラムマシン界の大御所です。
MPCは4×4の16個のパッドが搭載されており、その1つ1つに音を入れられます。
パッドを押すと発音し、あらかじめ音を割り振っておけば理論上は楽器として音楽を成立させることが可能な機材になります。
パッドにドラムの音を割り振ればドラムとして演奏、録音が可能です。
もちろんパッドにピアノの音を割り振ればピアノとして演奏、録音が可能になります。
そしてサンプリングした音源を割り振っておけば先述の技法であるチョップが可能になります。
ちなみにピッチシフトやベロシティ(音の強弱)の調節も可能です。
MPCを使っているアーティストは挙げたらキリがありませんが、楽器経験や音楽理論の理解が無くても扱えるのでMPCを入手さえできれば誰でもビートメイカーになれる可能性があります。
そういったことからヒップホップのアーティストに広く受け入れられました。
MPCを機に音楽理論に興味を持つという人たちも多いです。
MPCはヒップホップのみならず楽曲制作に革命を起こした機材であり、これから楽曲制作をしたいという方にはMPCの導入をオススメしたいと思います。
なかなかイイ値段してしまうのでお金の工面は大変そうですが。
え…なんかおすすめないの?
最近はネイティブ・インストゥルメント社の「Maschine」を取り入れてビートメイクしている人も増えているのだ!
MPCと使用感が似ているNative InstrumentsのMaschineシリーズも人気を博しており、ヒップホップのみならず、様々なジャンルで使用されています。
Maschineシリーズはスタンドアローンで楽曲制作できるものも近年発売されましたが、基本的にはPCと連携させDAW上で音源の管理や録音をするのが一般的です。
DAW
DAWとは「Digital Audio Workstation(デジタル・オーディオ・ワークステーション)」の略でPC上で楽曲制作をするシステムあるいはソフトウエアになります。
作曲作業からミックスダウンやマスタリング(音質を整える作業)を一括で行えるため、PCとDAWがあればプロでなくとも楽曲制作を始められます。
有名所だと
スタインバーグ社のCubase
イメージ・ライン社のFL Studio
プリソーナス社のStudio One
アビット社のPro Tools
アップル社のLogic Pro
下位ソフトにGarage Band。
などがあります。
いわゆる楽器はハードウエアと呼ばれ、基本的に別の録音機器に録音する必要がありますが、それをPC上で動かし、一元化できるのがDAWになります。
また、ハードウエア(楽器)をレコーディングする場合も多重録音が可能なので最近ではDAWを使ったレコーディングが主流になっています。
ループシーケンサー
1998年にループシーケンサーソフトのACIDというソフトが発売され、オーディオファイル(すでに録音された音源ファイル)をドラック&ドロップするだけで楽曲制作できるという画期的なソフトが開発されました。
サンプリングが得意なソフトであり、その後開発されてゆくDAWのオーディオ管理方法(アシッダイズ)の礎を築いたソフトでした。
現在は逆にDAWとしての機能を取り込み現在も世界で愛用されているソフトです。
DAWやループシーケンサーの普及によりタイムライン上で視覚的にサンプリング素材を管理できる様になったため、よりサンプリングがしやすくなりました。
ちなみ筆者は基本的に機材は使わずにPCでビートメイクをしています。
筆者の使用しているDAWはプリソーナス社のStudio One。
Windowsのサブ機でACIDを愛用しています。
最もサンプリングされた曲
世界で最もサンプリングされた曲は「The Winstons/Amen,Brother」だと言われています。
この曲は1969年にリリース以降2600曲を越える楽曲で使用されました。
主にドラムブレイク部分をサンプリングされています。いわゆる「アーメンブレイク」。
他にもジャンル問わず、数々の曲にサンプリングされた曲として
James Brownも参加した
「Lyn Collins/Think(About It)」
James Brownの楽曲
「Funky Drummer」
「Funky President(People It’s Bad)」
が上位を占め、
「The Honey Drippers/Impeach The President」
といった少しマイナーな曲もヒップホップの王道ブレイクとして君臨しています。
ボイスサンプリングにおいては
「Beside/Change The Beat」
「Public Enemy/Bring The Noise」
「Run-DMC/Here We Go(Live)」
「Dough E Fresh/La Di Da Di feat.Slick Lick」
などがヒップホップに限らず様々なジャンルでサンプリングされます。
サンプリングの訴訟問題
通常、アーティストとレーベルはそれぞれ楽曲の権利を持っています。
これがいわゆる一般的に著作権というものです。
楽曲をサンプリングする際は事前に著作者に許可を取らなければリリースすることはできません。
アーティストとレーベルに対して許可を取り、使用料(売り上げの割合)の契約を取ることをクリアランスと言います。
クリアランスを事前に行わないとどうなっちゃうの?
最悪訴えられてしまうのだ。
今回はその実例2つを挙げてみるのだ。
Biz Markie V.S.
Gilbert O’Sullivan
Biz Markie(ビズ・マーキー)はマーリー・マール率いるJuice Crewのメンバーで1988年に1stアルバム「Going Off」でデビュー。
レコードコレクターとして知られるビズはデビュー当初から様々なレコードをサンプリングしてきました。
1991年に3rdアルバム「I Need a Haircut」に収録された「Alone Again」は「Gilbert O’Sullivan(ギルバート・オサリバン)」の同名曲「Alone Again(Naturally)」をサンプリングしました。
この時ビズはオサリバンやオサリバンのレーベルに許可を取っていませんでした。
オサリバンは訴訟を起こし、ビズは裁判で敗訴してしまいます。
この敗訴によりアルバムの差し止め命令とアルバムの回収が行われ、オサリバンに対してのロイヤリティはなんと100%と言われています。
この訴訟以降、サンプリングミュージックは著作者とレーベルに許可を取らないと手痛いしっぺ返しを喰らうものとしてアーティストやプロデューサーたちの心に刻まれることとなります。
しかし、ビズもなかなか好戦的な人物なのか4thアルバム「All Samples Cleared!」というタイトルのアルバムを1993年にリリースします。
「すべてのサンプリングの許可取ったよ!」という直接的なタイトル。
収録曲の「Let Me Turn You On」は
「Mc Fadden&White Head/Ain’t No Stoppin’Us Now」という曲をサンプリングしています。
”俺たちを止めることなんてできないぜ!”的な意味と”もう邪魔されないぜ!”というサンプリング元からの意味合いを含ませていた曲になります。
2年前の裁判のこと根に持ってる?と思わせるような若干の含みを持たせています。
Madonna V.S. VMG Salsoul
こちらはヒップホップでは無いものの「0.23秒のホルンの音」をサンプリングしたことが争点となった判例についてです。
ことの発端は1990年に世界的歌姫マドンナがリリースした「Vogue」という曲をめぐって2012年にVMG Salsoulというレーベルから訴えられました。
VMG Salsoul側は1982年リリースの「The Salsoul Orchestra/Ooh,I Love It(Love Break)」で制作に携わった「ぺティ・ボーン」が許可なくこの曲のホルンの音を使用していると訴えました。
マドンナの「Vogue」をプロデュースしていた人物もぺティ・ボーンでした。(つまりセルフサンプリング)
3人の裁判官の内1人は「たとえ短くとも許可なく使用したのであれば著作権侵害にあたる」としました。
しかし、最終的に「一般聴衆は「0.23秒」を聞き分けることができない。」としてVMG Salsoulの訴えを棄却しました。
結果は2016年にマドンナ側の勝訴でしたが、「0.23秒」でもつつかれるというのは20年、30年前にリリースした曲であっても今後裁判で争うことになるアーティストやプロデューサーはまだまだ増えそうな予感がします。
まとめ
1973年からブレイクビーツから始まったサンプリング文化。
1980年代初頭にはスクラッチサウンドが確立され、チョップ、ピッチシフト、リバースなど王道テクニックや機材の更なる進化によってサンプリングが普及しました。
定番機材MPCを始め、PC上でDAWを駆使してサンプリングができるようになったためサンプリングがより身近な存在になりました。
サンプリングには著作権が付き物であり、サンプリングを駆使して楽曲を制作しているヒップホップのアーティストやプロデューサーにとっては切っても切り離せない問題です。
サンプリングミュージックの醍醐味は「これってもしかして○○のサンプリングじゃない?」という発見であったり、ラッパーやビートメイカーの意図を読み取ろうとする行為自体が楽しかったり、発見した時は他では味わえない高揚感があります。
筆者自身がビートを制作していることもあり、サンプリングは身近な存在なので「サンプリングって楽しいよ」というのを今後も伝えていけたらと思います。
今回は「サンプリングとは?」という講義でした。